お知らせ

2020.04.10

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者への政府支援策等のご案内16

-政府の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が公表されました-

 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~」が閣議決定され、公表されました。
中小企業等の事業者に関係する内容について、要旨をお伝えします。
 
 Ⅰ  「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」について(PDF)
   掲載場所:内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 経済財政政策 > 経済対策等
   ( https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2020/20200407_taisaku.pdf )
 
 Ⅱ 全体像
 (1) この経済対策は、大きく2つの段階を意識して策定されています。
   第一は、感染症拡大の収束に目途がつくまでの間の「緊急支援フェーズ」、第二は、収束後の反転攻勢に向けた「V字回復フェーズ」とされています。
 (2) また、緊急事態宣言が行われた下での経済対策は、以下の5つの柱で展開することとされています。
  ①感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発
  ②雇用の維持と事業の継続のための支援の更なる強化
  ③官民を挙げた経済活動の回復
  ④将来を見据えた強靱な経済構造の構築
  ⑤今後への備え
 (3) 中小企業等の事業者に関係する内容に限定して要旨をお伝えするため、主に②の内容についてお伝えします。
 
 Ⅲ 雇用の維持と事業の継続(要旨)
 1.雇用の維持
 (1) 雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大
  「雇用調整助成金について、緊急対応期間(令和2年4月1日から6月30日まで)において、助成率を中小企業は5分の4、大企業は3分の2に引き上げ、さらに解雇等を行わない場合には、中小企業は10分の9、大企業は4分の3とするとともに、雇用保険被保険者でない非正規雇用労働者も対象とするなどの拡充を行う。あわせて、制度を利用する事業者の利便のため、残業相殺の停止、支給迅速化のための事務処理体制の強化、手続の簡素化を行う。」こととされています。
 
 2.資金繰り対策
 (1) 日本政策金融公庫等による特別貸付及び危機対応業務による資金繰り支援の継続
 (2) 小規模事業者経営改善資金(マル経融資)の実質無利子化
 (3) 日本政策金融公庫等や保証付き民間融資の既往債務の借換
 (4) 保証料減免を含む信用保証の強化・拡充
  上記(1)~(4)について、「個人事業主や売上が急減した中小・小規模事業者、生活衛生関係営業者に対する、利子補給を組み合わせた実質無利子・無担保の融資について、十分な規模の融資枠を確保するとともに、手続きの迅速化に努める。また、更なる事業者の金利負担及び返済負担の軽減を図るため、日本政策金融公庫等の既往債務について、実質無利子・無担保融資への借換を可能とする。」とされています。
 (5) 民間金融機関でも実質無利子・無担保の融資を受けることができる制度の創設
  「融資窓口を拡充する観点から、地方公共団体の制度融資を活用し、民間金融機関でも実質無利子・無担保の融資を受けることができる制度を創設するとともに、このためのセーフティネット保証・危機関連保証の保証料の減免を行いつつ、十分な規模の保証枠を確保する。民間金融機関の信用保証付の既往債務についても、同制度への借換を可能とする。」とされています。
 (6) 小規模企業共済の契約者に対する、掛金納付額の範囲内での無利子融資の実施
  また、制度の説明はありませんが、小規模企業共済について、無利子融資が記載されています。
 
 3.事業継続に困っている中小・小規模事業者等への支援
 (1) 中小・小規模事業者等に対する新たな給付金(持続化給付金(仮称))
  「事業収入が前年同月比50%以上減少した事業者について、中堅・中小企業は上限200万円、個人事業主は上限100万円の範囲内で、前年度の事業収入からの減少額を給付する。その際、苦境にある事業者等に対して、確実に制度の概要が伝わるよう事前の周知に注力するとともに、文化芸術をはじめとする幅広い業態の特殊性も踏まえ、申請者の事務負担を考慮して、電子申請を原則とするなど、可能な限り簡便な手続とし、申請から給付までの期間を極力短くする。」とされています。
 (2) 中小企業生産性革命推進事業の特別枠創設
  「中小・小規模事業者が生産性向上に取り組んでいけるよう、総合経済対策において創設された中小企業生産性革命推進事業について、特別枠を設定(補助率の引上げ等)する。」とされています。
 (3) 経営資源引継ぎ・事業再編支援事業
  「地域の雇用や技術・ノウハウといった経営資源の引継ぎや事業再編を後押しする。」とされています。
 
 4.税制措置
 (1) 納税の猶予制度の特例
  「収入に相当の減少があった事業者の国税・地方税及び社会保険料について、無担保かつ延滞税なしで1年間、納付を猶予する特例を設ける。」こととされています。
 (2) 欠損金の繰戻しによる還付の特例
  「資本金1億円超10億円以下の企業に生じた欠損金について、欠損金の繰戻しによる法人税等の還付制度の適用を可能とする。」こととされています。
 (3) 中小事業者等が所有する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置
  「中小事業者等に対して、令和3年度課税の1年分に限り、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の負担を2分の1又はゼロとする。」とされています。
 (4) 生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充・延長
 (5) テレワーク等のための中小企業の設備投資税制
  「新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも新規に設備投資を行う中小事業者等を支援する観点から、生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充・延長を行う。」こととされています。
 (6) 文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への
  寄附金控除の適用
  「政府の自粛要請を踏まえて一定の文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対し、観客等が入場料等の払戻しを請求しなかった場合には、放棄した金額を寄附金控除(所得控除又は税額控除)の対象とする。」とされています。
 (7) 自動車税・軽自動車税環境性能割の臨時的軽減の延長
 (8) 住宅ローン控除の適用要件の弾力化
 (9) 耐震改修した住宅に係る不動産取得税の特例措置の適用要件の弾力化
 (10)消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る特例
 (11)特別貸付に係る契約書の印紙税の非課税
 
  なお、上記以外にもサプライチェーン改革や海外展開企業の事業の円滑化等、新型コロナウイルス感染症によって影響を受けた特定事業者に対する支援策が記載されています。

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以上